選択箇所の画像生成 プロンプトのコツ
2024年7月よりAIデザインで選択箇所の画像生成ができるようになりました。これにより、『うまく画像生成出来きたんだけど、ここだけ直したい』や、『既存の写真の顔だけ、お洋服の袖だけ、ボタンだけ変えたい』のようなニーズに対応することができます。この機能をよりうまく使うために、選択した部分の生成をする際入力するプロンプトの書き方のコツをご紹介します。
Jul 17, 2024
変更したい箇所を選択した後、プロンプトの入力を求められるけど、何をいれたらいいの?
選択箇所だけの画像生成を行う際には、その選択範囲で生成したい内容のプロンプトのみ指示するのが、基本的な使い方です
左側の花瓶とテーブル部分だけを選択し背景のカーテンと同じにしたい場合、どんなプロンプトにするとよいでしょうか?
プロンプト例)
ファッションモデルのモダンなハウススタジオ写真、シンプルなドレスを着た日本人モデル、カーテンが映り込んでいる
最初に画像生成した際に使ったプロンプトから、花瓶と机が映り込んでいるという指示を、カーテンに変更しました
このプロンプトには、カーテン以外にもモダンなハウススタジオ写真という指示が含まれるため、背景として机や観葉植物が生成されます
その選択範囲で生成したい対象物だけに絞ることで、余計なものが混じって生成すること防ぐことができます。
プロンプト例)
カーテン
シンプルにその部分に生成したい対象のカーテンとだけ指示します
このようにすると、指示したカーテンの面積が多い画像を生成することができます
生成したい対象物以外の指示も含めたほうがいい場合
一緒に写っているものと世界観をなじませたい、構造として一体化させたい場合には、対象物以外もプロンプト指示に含めるのがコツです。
Tシャツの柄を変更したい場合はどのようなプロンプトを打つのが良いでしょうか?
失敗例
プロンプト例)
東京タワー
東京タワーが唐突に人物の上に乗った画像がでてしまいました。それはプロンプト指示に、Tシャツの柄としての東京タワーという意味が含まれていないため、単純に東京タワーの画像だけが生成されてしまっています。
プロンプト例)
東京タワーのプリント
東京タワーのプリントがTシャツに施されている構造っぽくはなりましたが、いまいち写真の世界観とは合わずに浮いた雰囲気になってしまっています。
その選択範囲で生成したい対象物だけに絞ることで、余計なものが混じって生成すること防ぐことができます。
プロンプト例)
エディトリアルファッション写真、20歳の日本人のおしゃれなモデル、おしゃれでトレンド感のあるTシャツとジーンズを着たモデル、東京タワーのプリント
最初に生成した際のプロンプトに『東京タワーのプリント』という指示を加えています
どんなシーンの画像なのかという全体像やモデル情報を加えることで、世界観が馴染み、またTシャツとの一体化もできています。
生成するものの位置やサイズが希望通りにならない場合
選択箇所の画像生成するとき、ユーザーが選択した範囲が生成に大きな影響を与えます。生成されるものの位置を細かく指定したい場合、選択範囲よりも小さいものを作りたい場合などは、ステップに分けて修正していきましょう
Tシャツの柄を、左胸のワンポインとに変更したい場合は、どのようなプロセスが良いのでしょうか?
プロンプト例)
左胸ワンポイントの小さなプリント
選択した範囲の影響が強いため、選択した範囲全面にプリント柄が施されてしまいます
ステップに分けて、修正していきましょう。
まず、プリントを消してベースとなる白いTシャツに修正します
プロンプト例)
白いTシャツ
次に、左胸のプリントを生成したい位置を選択してその部分に生成をします
プロンプト例)
エディトリアルファッション写真、20歳の日本人のおしゃれなモデル、おしゃれでトレンド感のあるTシャツとジーンズを着たモデル、東京タワーのプリント
プロセスを分解することによって胸部分にだけプリントを生成ことができました
選択箇所の画像生成する際のプロンプトは...
選択箇所に直接関係しないプロンプトは入れないようにする
位置関係や状況描写などで元のプロンプトと密接に関わるような場合は入れた方が良いケースもある
変更したい内容が複雑な場合は、ステップに分けて細かく修正していく
全体の画像を生成する際と一部を生成する際では、入力するプロンプトの考え方やコツが異なります。特徴を理解しながら使い分けることで、思い通りの変更が可能になるので、ぜひいろんなパターンを試してコツを掴んでみてください!
Maison AI 活用 Advisor
OpenFashion COO
上條 千恵
OpenFashion / ファッションドメインスペシャリスト大学在学中にファッションSPAで店舗オペレーションを経験し、そのままファッションの世界に。デザイナー、MD、マーケティング、EC、システム開発、グローバル新規事業開発・運営などを歴任した、アパレル歴20年のドメインスペシャリスト。組織やデジタルなどファッション業界で障害になりがちな境界線に向き合い、課題の発見から解決まで現場に寄り添いながら提供、より良いサービスを実現するのがやりがい。現在は株式会社ワールドにて、ジェネレーティブAI活用した新規事業開発のプロジェクトを担当。