チームのためのMaison AI:効果的導入の3つのポイント
はじめに
こんにちは。
Maison AIの製品デモやGAI Programのコーディネーションを担当している遠藤です。
生成AIの活用状況の調査によると約62.8%もの企業ユーザーがAI技術を活用しているとの結果※1がでており、今後ますます導入が盛んに行われるようになると思われます。しかし、チームに導入する過程では、各人のスキルや関心の度合いの違いなど幾つかのハードルがある場合あります。
このブログでは、OpenFashion社内において、Maison AIを導入し、活用を進める上で得られた学びを
「効果的導入の3つのポイント」としてお伝えします。
Maison AIをご利用くださっている方や、利用を検討されている方々の導入推進や活用の一助になればと思います。
「Maison AI」とは、以下を御覧ください。
Maison AIサービスサイト:https://maisonai.io/
ポイント1:スムーズなチームオンボードのための導入PMを設置する
弊社では今回導入PMをチームごとに1人ずつ担当してもらい、導入促進をしました。導入PMとは新しいツールを社内に導入する際、利用計画や利用状況を把握し、導入ツールを社内に浸透させるための役割を担ってます。
こうすることで業種や業務が異なるユーザーの利用方法の解像度をアップしてファシリテーションし、日々の導入促進を行うことができます。
このブログでは、担当した方々のリアルなインタビューの声を合わせてお届けします。
インタビューに協力してくださった方々
- 社内導入PM
- 藩 美香:Maison AI開発エンジニア
- 牛山 直輝:3DCG リード
- 北側 善範:SNS マーケティング
- 遠藤 未樹:Biz プロジェクトマネジメントオフィス
まず初めに、導入PMに選ばれて最初にしたことはなんですか?
藩(開発):週1で行っている開発チームの定例があったので、それがちょうどいい場かなと思い、実際にMaison AIを画面共有で見せて、どんなふうに活用するツールなのかを一緒に考えたりしました。
牛山(CG):Maison AIが導入されたのと同時期に、AI画像コンテストが開催されていました。自社ブランドのディレクター役のAIエージェント※2をCGチームのメンバーが作成し、そのAIエージェントを活用することを足がかりとして導入を進めました。
北側(マーケ):マーケティングチームでは、メールマガジンの配信に使うAIエージェントを作り、実際に履歴機能をたどりながら、活用事例を共有し、実際の使い方をどんどん共有して普及していくような動きを取ってました。
遠藤(PMO):私が所属しているBizチームも週1の定例で社内導入についてアナウンスし、定期的に利用状況をヒアリングしました。このように各チーム、Maison AIを導入するにあたって、アナウンスから始まり、利用状況をお互いに把握し合い、チーム内で活用のルーティンが生まれました。
このように、導入PMが先導することによって、各チーム、ルーティンが生まれたことが、まず大事なポイントです。繰り返しヒアリングしたり、チーム内で成功例を共有し合うことで導入の個人の意欲が高まり、最終的にチームへの導入が進むのです。
※2 AIエージェント:様々な職種や役割を設定し、それを元にAIが業務を支援します。
導入PMをやってみて感じたことは何ですか?
藩(開発):もっとみんなに使ってもらえるような何か工夫やMaison AIについて、自分もよく考える時間を持つべきだったかなとは思ったりしています。
牛山(CG):PMの役割として、メンバーの「どこで挫折しやすいのか」「仕事で活用できるか」という判断やサポートが必要なのはもちろんそうなのですが、ここで活用できそうだなと思ったとき、テンプレート※3の組立てをじっくり考える時間も必要だなと思いました。
北側(マーケ):確実に導入した方が生産性は上がるので、企業としても、「導入をどうしていいかわからない。」というのはたくさんあると思います、どこで詰まるのかを言語化していくのは大事です。導入PMがうまくハマれば、業務改善できるはずだと思っているので、かなり大事な役割だと思います。
遠藤(PMO):活用方法を定期的に共有し、工数がかかる業務をAIエージェントを使って効率化する方法をチームで考えることで、導入を推進しました。メンバーの活用意識を高めるための取り組みが重要であると感じました。
導入PMはチームメンバーとのコミュニケーション、課題の特定と解決、さらには文化的な変革の実現において重要な役割を果たします。導入PMは、Maison AIをただ導入するだけでなく、チーム内の潜在的な価値を最大限に引き出すための戦略を設計し、実行に移すことが大事です。
それにより、導入PMは新しいツールの単なる導入者ではなく、チーム全体の変革を牽引するキープレーヤーとして機能します。
※3 テンプレート:Maison AIの特長的な機能で、業務を定型化し、業務の効率を上げるためのもの
ポイント2:ユーザーの行動変容を促す業務フローを構築する
ツールはただ単に存在するだけではなく、毎日の業務に取り込まれ頻度高く使用することによって、業務全体が効率化されていきます。そのためには、どのようにユーザーの行動変容を促すことができるかが重要です。
導入を推進するにあたって直面した課題や困難に感じたことは何ですか?
藩(開発):ツールのアナウンスに対しては、「なるほど」という反応を得ることができましたが、日々の仕事の中で、Maison AIを使うことを忘れてしまうことがありました。
牛山(CG):CGチームは製作が始まると、Maison AIやChatGPTも含めて、AIの出番があんまりなかった状況でした。業務を切り分けしたり、AIを使うことを前提としたワークフローを組立てること自体が結構、難しかったです。
北側(マーケ):導入の難しいところで言うと、普段使ってもらうには、ユーザーの習慣を変えなければいけないので、いろんな業務において、業務フローの中に組み込まれるようなUXや業務フローを組み立てないと、使わない人は、ずっと使わないな。という印象でした。
遠藤(PMO):Bizチームは、リサーチ業務に活用することが多い反面、その業務を終えると、使用頻度が下がってしまうことでした。他のチームと同様、使用を継続するための業務フローを組立てることが必要だと思いました。
インタビューにあるように、ユーザーの行動変容を促すためには、既存の作業フローを再検討し、Maison AIを効果的に統合するための新しいルーティンに組み込む必要があります。
ツールを導入の効果を最大限に引き出すためには、単にツールを導入するだけでなく、ユーザーの習慣や作業フローに対し深く観察・理解し、その洞察を基に、新しいツールを日常業務に統合し、最終的にはチーム全体の生産性と創造性を向上させるための戦略を策定することが必要です。
これらの取り組みを通じて、チーム全体がMaison AIをより深く理解し、活用することにつながって行くことになります。
ポイント3:各チームや個人のニーズに合わせた柔軟な導入方法を検討する
チーム内には様々な職種やオペレーションが存在します。その多様性を理解し、それに応じた柔軟なアプローチを行うことが重要です。
Maison AIを活用するにあたって、どのようなサポートをし、どんな結果が得られましたか?藩(開発):開発チームはMaison AIはあまり使われなかったので、見方を変えて、「エンジニアの仕事に対してAIをどう活躍できるか」をテーマに、アンケート形式でエンジニアのAI活用法を探りました。
牛山(CG):CGチームは、職種が細分化されているため、それによってAIに尋ねることができないような職種もありました。一方で、ブランドコンセプトを基にデザインするパートの方は、継続して利用していました。なので、職種によって、導入率は大きく変わりそうだと思います。
北側(マーケ):マーケティングチームは、一番よかったと思うのは、履歴画面ですね。日常的にどんな書き方をしたらいいか困った時は、「履歴が参考になる」という点がすごく良くて。Midjourneyなら他の人が使ったプロンプトと結果がサービス内で共有されているけど、特にChatGPTのプロンプトはあまり自分の業務で使えるものはなくて。
遠藤(PMO):Maison AIは履歴が一番価値発揮ができるところかなと感じてます。
ニーズに合わせた柔軟な導入方法として、個人での成功例と、チームでの成功例をうまく組み合わせることが大切です。
- 個人での成功事例:デザイン業務や企画業務
- イメージソースの壁打ち
- プレゼン内容のアウトライン作成
- チームでの成功事例:日々のワークフローに組み込む
- メールマガジンの配信文章をレビュー
- 広告のライティング文章のアウトライン作成やレビュー
- 画像生成におけるプロンプト検閲
また、マーケティングチームのコメントにもある通り、Maison AIの履歴機能はチームに導入において、特に効果的であることがわかります。各個人の成功事例をチームに共有することで、さらに新しい活用のアイデアやアプローチを得るヒントとなっています。この機能は、個人の能力に限定されず、チームの中の優秀な人の能力を発展的にチーム展開するために効果を発揮しています。
まとめ
チームに効果的にMaison AIを導入するための、3つのポイントは…
- スムーズなチームオンボードのための導入PMを設置する
- ユーザーの行動変容を促す業務フローを構築する
- 各チームや個人のニーズに合わせた柔軟な導入方法を検討する
これら3つ要素を適切に実施することで、Maison AIはチームの生産性、創造性、そして協働の質を大きく向上させてくれる可能性があります。
導入PMを通じて効率的な導入が可能になり、ユーザーの行動変容を促すことで、Maison AIは日常業務に統合することができると考えます。さらに、各チームや個人のニーズに応じた柔軟なアプローチを取ることで、Maison AIは組織の要求に対応し、価値を発揮します。
チームへのMaison AIの導入をよりスムーズに効果的に行うために、これらの導入のためのポイントをぜひご活用ください!